間違えないで!子どもの噛みつき傷の手当て

保育園

ゆうきです。

保育園で勤めていて、起こってほしくない事故といえば、「噛みつき」

主に乳児(0~2歳)、中でも0歳や1歳クラスで起こることが多い印象です。

・噛みつきによるけがって、どんなけが?

・処置はこれでいいのかな?正しい処置って?

大人では起こりにくいけがですし、咄嗟のことに、どうしていいかわからないですよね。

今回は、そのあたりをお伝えしていきます。


そもそも、どうして噛みつくの?

最初に、子どもが噛みつく理由について。

こちらは保育士さんの領域でもあると思いますが、保育に関わるなら知っていたほうがいいですよね。

実際の保育現場で見てきた状況をふまえて書いていきます。

 

主に乳児(0~2歳)、特に0歳や1歳クラスで起こりやすいのですが、以下のような理由からと推測できます。

 

①「いや」「だめ」「やめて」と言う代わりに噛みつく

0歳や1歳さんだと、まだ言葉の発達が未熟な場合が多いです。

「いやだ」を言葉で上手く伝えられない、そんな時に咄嗟に噛むという行動に出てしまう。

そんな子どもの状況があると推測できます。

 

②遊びになっている 

人との関わり方を、学んでいる最中の子どもたち。

一緒に遊びたい、楽しい!という気持ちを表現するために、噛みつく。

中には噛みつくこと自体を、遊びと思ってしまっているケースもあります。

 

③心理的な不安定さがある

ママやパパの病気、仕事の変化などで、環境やリズムが変わったことによって心理的に不安定さが生まれ、噛みつきにつながるケースもあるそうです。

環境の変化から、不安や落ち着かない気持ちが生まれ、それが大きなストレスになって噛みつきという形で発散される。

自分なりに心を落ち着かせようとしているのかもしれないですよね。

 

④保育園という環境

特に小さいクラスでありがちなのが密集

抱っこして~遊んで~などそれぞれの思いで集まりに集まり、噛みつき…

なんてこともあります。

「ちょっとどいて!」と言葉で上手く言えないので、①の理由とも絡みますね。

 

もっと詳しく知りたい!という方はこちら↓※準備中です

実際の現場で見てきた噛みつき事例を踏まえて、対処方法も合わせて解説しています。

噛みつきによって起きるけがの内容

噛みつかれた子どもに、どのようなけがが起きているか知っていますか?

これを知らないと、正しい処置はできないので、ぜひ知っておきましょう。

 

噛みつきで起こるけがの内容は↓です

・皮下出血(内出血)

 …噛まれたことにより、組織が損傷します

・浅い裂傷(切り傷)と、出血

 …歯によって皮膚表面が傷つきます

※耳や鼻など、平たい面でない箇所では裂傷は深くなりやすい。

 

人間の歯は、それほど鋭くないので、大けがにはなりにくいです。

でもこうしてみると、ちょっとしたかすり傷でもないこともわかりますね。

表面だけでなく、内出血を伴うような皮下組織の損傷があります。

 

では、正しい対処は、どうしたらよいでしょう??

噛みつきによるけがへの適切な処置

適切に処置して、少しでも悪化しないようにしてあげましょう。

※出血が多いなど、傷が深い場合、必ず医療機関を受診してください

 以下は、園内で対処できる程度のケース(噛み跡がある程度、出血があってもにじむ程度でごく少量など)でお話ししています。

 

①噛んだ箇所を洗う

まずはすぐに、石鹸と清潔な流水で洗います。水道水でもいいです。

人間の歯には雑菌があるので洗い流します。

流水で流すことで、多少なりとも冷やすこともできます。

この時、強くこすったり、もみこまないように気をつけましょう。

泡でなでるように、優しく洗ってください。

 

できるだけ冷やす

氷のう(氷多め、水は少なめ)を作り、患部を冷やします。ビニール袋でもいいです。

それをタオルでくるんで患部に当てます(※直接当てない)

冷やす時間は10分~15分くらいといわれていますが、子どもの場合じっとしていることが難しくアイシング自体を嫌がることが多いので、可能な限りでもよいと思います。

私は保育士にも協力してもらい、5分くらいは頑張って冷やすようにしています。

※実際のところ、冷やすのは時間よりも感覚が大切なようです。(感覚がなくなるまでが目安だそう)

 

③抗菌薬

医療機関では、噛み傷には抗菌薬が処方されます。

雑菌による感染症の恐れがあるためです。

傷が深く出血が多くなることは少ないと思いますが、万が一傷が深い場合には必ず医療機関を受診しましょう。

なお、保育園での薬の使用は、園の方針にもよると思います。

薬を使わない園もありますよね。

もし薬の使用がOKで、抗菌軟膏があれば、塗布します。(繰り返しますが、軽度の場合です。傷が深い場合は必ず受診してください。)

絶対に揉まないで!!

中には、「噛みつきは揉む」と教えられた方もいるのではないでしょうか。

揉むことで跡が消える??という理由らしいですが、絶対にNGです。

受傷部位を揉んでも、悪化するだけです。

傷ついた組織にさらに力を加えるのですから、考えてみれば、当たり前ですよね。

捻挫や打撲をもみますか?痛いでしょ。

 

噛みつきって、避けたい事故です。1番起きてほしくないかもしれない。

人によって故意にさせられたけがだし、親にとって気分がよくないから。わかります。

だから保育士にとっても、保護者へ伝えるの、すごく嫌になります。わかります。

 

だから、少しでも跡が残らないように、伝える時に大けがでないと言えるように、という気持ちから「揉めば消える」説が広がったのでしょうか?

もしかしたら、何かが重なり合ってうまいこと跡が消えた事例が、口伝えに広まったのかもしれません。

 

でも・・・それって正しいの?とはなはだ疑問です。

そりゃあ、けがはない方がいいけれど、起きてしまったことは取り消せない事実だし。

自分の子どもがしたけがを隠されるのって、悲しい。

小さなけがであっても、子どもに痛かったね、と声をかけてあげたいし、

噛みつかれたならなおさら、ちゃんとケアしてあげたい

私は保育従事者であると同時に、保護者でもありますが、そう思います。隠そうとせずにちゃんと伝えてほしい。

 

中には厳しい保護者がいるのも事実で、できれば言いたくない…という気持ちもめっちゃわかります(^^;)

クレーム怖いし、大事になれば自分もみんなも落ち込みますよね。。

 

でも。それでも。

噛みつきを防げなかったという点で、こちらにも非があるのもまた事実。

ばれなきゃOK、セーフという考えは危険だとも思います。

下手に隠そうとせず、正しい処置をきちんとして、正しく伝える。

それがなにより子どものためかなと思います。

 

すみません、少し話がそれて熱くなってしまいました(^^;)

まとめ

噛みつきのけがでは、

・皮下出血(内出血)

・浅い裂傷(切り傷)、それによる少量の出血がある場合もある

が生じているため、

 

石鹸と清潔な流水で雑菌を洗い流しできるだけ冷やしてあげます。

このとき決して揉まないこと。悪化させてしまいます。

 

人間による噛みつきはそれほど大けがにはなりにくいですが、もしも傷が深いとか、出血が多いといった場合には必ず医療機関を受診しましょう。

感染症により傷が膿むことも考えられるので、医療機関での処置、抗菌薬の処方などをしてもらいましょう。

 

噛みつきって、防ぎたい、起きてほしくない事故のひとつですね。

ちょっと脱線もありましたが、万が一起きた場合には、正しく処置して、正直に保護者に伝えてほしいと願う私です。

 

お読みいただきありがとうございました、ゆうきでした(*μ_μ)

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